もの忘れ外来
もの忘れが
気になる皆さまへ

「最近もの忘れが多くなってきた」「身近な人の名前が思い出せない」「昨日の夕食のメニューが覚えられない」など、気になることはありませんか?そのような症状がある場合は、どうぞお気軽に当クリニックのもの忘れ外来をご利用ください。
もの忘れ外来では、認知症の早期発見と適切な診断を目指し、原因の見極めや症状に応じた治療、生活支援を行っています。認知症は種類や原因によって治療法が異なるため、当院では詳しい検査を通じて、一人ひとりに合ったケアを提案しています。
また、もの忘れの背景には加齢以外の病気や体調不良が隠れている場合もありますので、総合的な健康管理も大切にしています。必要に応じて専門医療機関と連携し、安心して治療を受けていただける体制を整えております。どうぞ安心してご相談ください。
予約制になりますので、受診される方はお電話にて事前のご予約をお願いいたします。
こんな症状でお悩みではないですか?
- 同じ話や質問を何度も繰り返すことが増えた
- 最近あった出来事を思い出すのに時間がかかる
- 鍵や財布などの置き場所がわからなくなることがある
- 曜日や時間がわかりづらく感じることがある
- よく行く場所で道に迷うことがまれにある
- 計算やお金の管理で間違いが増えてきた気がする
- 怒りっぽくなったり、気分の変動が激しくなった
- 家事や身の回りのことが少し手間取ることがある
もの忘れの種類
生理的なもの忘れ
年齢を重ねることで脳の働きが緩やかに低下し、記憶力が衰えるのは自然な現象です。知人の名前がとっさに出てこない、昨日の夕食のメニューが思い出せないといった経験は、多くの方が感じています。
重要なのは、本人が「忘れてしまった」と自覚している点です。出来事そのものは覚えており、詳細だけが曖昧になるという特徴があります。日常会話に支障はなく、仕事や家事も問題なくこなせるため、認知症とは明確に区別されるのです。
原因
生理的なもの忘れの主な原因は、加齢に伴う脳の老化現象です。年齢を重ねると、記憶を司る脳の働きが徐々に低下し、情報の記憶や想起に時間がかかることがあります。しかし、これは正常な現象であり、日常生活に大きな支障をきたすことはほとんどありません。適度な運動やバランスの良い食事、十分な睡眠などで脳の健康を保つことが大切です。
治療方法
加齢による生理的なもの忘れは病気ではないため、薬による治療は行いません。脳の活性化を促す生活習慣を心がけることが、記憶力の維持につながります。
質の良い睡眠を確保し、魚や野菜を中心としたバランスの良い食事を摂ることが大切です。散歩やラジオ体操などの軽い運動は脳血流を改善し、認知機能の低下を緩やかにします。気になる症状があれば、認知機能検査で現在の状態を確認することもできます。
病的なもの忘れ
病的なもの忘れは、本人が自覚していないことが多く、症状が進行すると日常生活に支障をきたします。例えば、会った人の名前が思い出せない以前に、その人に会った出来事自体を忘れてしまったり、何を食べたか思い出せない以前に食事をしたこと自体を忘れてしまうことがあります。このような状態は認知症などの病気が原因であることが多く、早期の診断と適切な治療が重要です。気になる症状があれば専門医への相談をおすすめします。
原因
病的なもの忘れは、さまざまな病気が原因となって引き起こされます。代表的なものには、認知症(脳血管性認知症、レビー小体型認知症、アルツハイマー型認知症など)があります。また、うつ病や不眠、脳梗塞などの脳の疾患や精神的な問題も関与しています。これらの病気により脳の機能が障害され、記憶障害や認知機能の低下が起こります。早期の診断と治療が重要です。
治療方法
病的なもの忘れに対しては、その種類や原因に応じて「非薬物的治療」と「薬物的治療」の両面からアプローチします。たとえば認知症が原因の場合には、進行を遅らせる薬の使用とあわせて、日常生活の工夫やリハビリテーション、認知機能を刺激する活動などの非薬物的な支援も行います。また、うつ病や不眠、脳血管障害が関係している場合には、それぞれの病気に対する適切な治療が必要です。原因に応じた早期の対応が、症状の進行を抑えるための鍵となります。
認知症と
生理的なもの忘れの違い
| 認知症 | 生理的なもの忘れ |
|---|---|
| もの忘れの自覚がない | もの忘れの自覚がある |
| 体験したすべてを忘れている | 体験の一部を忘れている |
| 最近の出来事の記憶がない | 名前や日付など、とっさに思い出せない |
| 曜日や場所、時間の感覚があいまいになることがある | 基本的な場所や時間の把握はできている |
| 会話・買い物・外出などの日常生活に支障が出ることがある | 生活にはほとんど支障がなく、普段どおりに過ごせる |
| 話がかみ合わない、判断力が低下している | 会話は成り立ち、判断力も保たれていることが多い |
| 徐々に悪化し、症状が進行していく | 年齢に伴う変化で、進行はゆるやか |
| 家族や周囲が「様子が変わった」と感じることが多い | 周囲も「年齢相応の忘れやすさ」と感じることが多い |
年齢を重ねても、
自分らしく過ごすために
「最近ちょっともの忘れが多くなったかも…?」そんなふうに感じることはありませんか?年齢とともに少しずつ変化していくのは自然なこと。でも、日々のちょっとした工夫や習慣で、脳の健康を守り、自分らしい暮らしを続けることができます。無理せずできる予防のヒントを、わかりやすくまとめました。できることから、少しずつはじめてみましょう。
| 適度な運動 | ウォーキングや体操など、軽い有酸素運動を継続して行う |
|---|---|
| バランスの良い食事 | 野菜・魚・大豆製品を中心に、脳に良いとされる栄養素を意識して摂る |
| 良質な睡眠 | 規則正しい生活を心がけ、十分な睡眠時間を確保する |
| 脳のトレーニング | 読書・日記・計算・パズルなどで日常的に脳を使う |
| 人との交流 | 会話や地域活動に参加し、社会的なつながりを保つ |
| 禁煙・節酒 | 脳の血流や機能を守るために、たばこを控え、アルコールは適量に |
| ストレスの軽減 | 趣味やリラックスできる時間を持ち、ストレスを溜めこまない |
| 定期的な健康チェック | 高血圧・糖尿病などの生活習慣病を早期に発見・治療する |
もの忘れ外来受診の流れ
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Flow01問診票の記入
当院は初診を含め、予約制です。まずは初診の申込みをお願いいたします。
以下から問診票をダウンロードしていただき、あらかじめ記入した上で初診時にお持ちいただくと受診の流れがスムーズになります。
問診票のダウンロードは
なお、受診時当日の体調などをご記入いただく問診票もございますので、よろしくお願いいたします。
こちら -
Flow02検査
初診時に問診・簡易認知機能検査を実施します。
さらに必要に応じて脳の検査や血液検査なども実施します。 -
Flow03診断
もの忘れの種類を診断します。
(「生理的なもの忘れ」なのか、「病的なもの忘れ(例 認知症)」なのかなど) -
Flow04治療
診断結果に応じた対応を行います。
- 治療
- 進行防止処置
- 食事・運動・脳トレーニングの指導 など